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ブログ2022.07.03

プロスケートボード選手の不思議

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プロスケートボード選手の不思議のアイキャッチ画像

「向かって左が日野高校レスリング部の南敏文前監督、二番目が伊藤現監督、左から2番目が山本選手」
以前、プロスケードボーダーとして世界のトップで君臨されている「山本 勇」選手を紹介させて頂きましたが、私も比較的多くのプロスポーツ選手や日本を代表するトップアスリートと接してきましたが、彼ほど接すれば接する程「不思議」が深まる選手はいません。

名門!滋賀県立日野高等学校レスリング部での練習参加

私は学生の頃 滋賀県で過ごしていましたが、その隣町に「日野高校」というレスリングの名門校があります。実はその日野高校は私が所属していた高校のレスリング部とはかなりのライバル関係であった彦根市の高校だったのですが、私の母校よりも日野高校レスリング部の方が圧倒的に魅力的な練習をされていたため、私は当時 自分の高校の監督には秘密でよく日野高校に練習に行っていました。
そんな関係もあり、当時の日野高校の監督とは今でも交流させて頂いていて、これまでにも巨人軍の二岡智宏選手、広島カープの島重宣選手、柔道オリンピック金メダリスト鈴木佳治選手、世界選手権金メダリスト新谷翠選手、大相撲の関取として若荒雄関(現、不知火親方)、大道関(現、阿武松親方)、阿武咲関などなど他にも多くの一流選手が日野高校レスリング部と合同練習をしてお世話になっている名門校です。

「南 敏文」という幻のオリンピック選手がこれまで指導

こちらの日野高校を昭和の時代から今年の3月末まで指導していたのが例の私がお世話になっていた監督の「南 敏文」先生なのですが、この先生の指導方針は「いかにして全日本や世界で戦える人材を育成するのか。そして、そのためには高校時代に無理をさせない。あくまでも高校時代は大学や社会人に進んだ時に活躍するための準備期間」として育成をされることです。しかし、中には高校時代でレスリングを終える選手もいますので、この場合は「悔いなく最後まで活動できるように」と、それぞれのTPOに適合させた抜群の指導をなされています。

レスリングの補強練習はとても過酷!
この練習にスケートボーダーが絶えられるのか?

話を戻しますが、この名門日野高校のレスリング部の練習にスケートボーダーの山本選手が定期的に練習に参加することになったのです。
これまで参加してきた数々の選手がこの練習では結構苦戦を強いられてきたことから、ムキムキな筋肉がついている感じではない山本選手では「さすがに付いて行くことが出来ないのでは?」と、南先生を含め見ていた関係者は「無理をさせない程度に…」くらいに思っていました。

実際に不安だらけの初日の練習

一般的に「レスリング」と聞いて想像されるのは「筋肉をいかに強くして大きくすること」だと思われがちですが、実は身体の柔軟性とバランス感覚の基礎を鍛えることが重要で、それが出来てから瞬発力・筋力・持久力を鍛えて行く競技です。
山本選手の場合は身体の柔軟性が驚くほど無くて、筋肉も「強化されている」…とは程遠いコンディションでありました。

いざ練習が始まると…人は見かけで判断してはダメだと教えられました

しかし、これまで参加してきたスポーツ選手の多くがマット運動という初期の基礎練習から苦戦してきた中で、山本選手はいとも簡単にそのマット運動をこなしていくのです!そして続く瞬発トレーニングや動的体幹トレーニングを行っても ひょうひょうとこなしていくという、通常では理解不能な能力を持たれています。
例えば身体のパーツごとに柔軟をさせても明らかに硬いのに、動きの中では上手に身体を代償させて柔軟性を保つ!体幹もパーツで教えると苦戦するのですが、動きの全体の中では保持できている。しかも、彼の場合は教えたメニューを次に会う時までに習得しているという能力も兼ね備えていますので「やればやるほど血となり肉となり骨となる選手なんだ」と驚かされてしまいました。しかも、本当にきつい練習で息もかなり上がっているのに苦しい表情も見せずに「また次回もお願いします」という精神力も相当なものです。
「人は見かけによらず」とはこのことを言うのだと思い知らされました。

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