いよいよ大阪場所が開催されました。
今回は初日に、堺市の病院で名医としての証であるベストドクターズ(膝関節部門)に選出され、阿武咲関などを御高診頂いている先生と3年ぶりの観戦をさせて頂きました。
確か一昨年は無観客開催となり、昨年は中止だったような気がするのですが、今場所に至っては相撲協会が各部屋にとても厳しい制限を設けての開催となりました。
現実、毎年大阪場所前になると私は力士と一緒にトレーニングに取り組んだりしていたのですが、今回の大阪場所開催に際しては「ケガの治療」以外は「外出が認められない」というレベルにまで感染防止対策が徹底されていました。そんな中、初日の2日前に阿武松部屋の阿武咲関が治療でお越しになられました。
休場経験を教訓に芽生えた回復哲学
彼は3年前の大阪場所で膝を負傷し、また以前から肩関節も痛めていたため、この当時は両部位を同時に治すために大相撲人生初の2場所を休場し完治を目指しました。
この時、膝・肩とも症状は芳しくなく、肩関節は「柏たなか駅」の近くの病院にいらっしゃる肩関節の大権威の先生、そして膝関節は前述しました堺市の「新金岡駅」近くにいらっしゃる大権威の先生にご高診を賜りながら当院(奈良県香芝市)に半ば住み込むような形で2か月間のリハビリを行いました。
リハビリ効果を飛躍的に向上させた「MAFタンパク」
このリハビリの中で効果を発揮したのが「MAFタンパク」を使った施術法でした。医師からは「手術が濃厚」とまで言われていましたが、手術覚悟の上で「MAF再生療法」でリハビリ行っていたところ、状態が回復し手術を免れることが出来ました。また、このMAFをアミノ酸のように摂取するだけで「身体の疲れや筋肉の回復がこれまでと全く違う」という感覚を実感されたそうで、阿武咲関はいつの間にかMAFタンパクの愛用者となっていました。
ケア方法を科学する阿武咲関
ただ、そんなMAF愛用者の阿武咲関が、今回とても興味深い話をしてくれたのです。MAFを摂取しはじめてからしばらくは、トレーニングを行っても筋肉への反応がとても良く、翌日まで疲れを持ち越さない感覚が顕著に実感できていたのに、ここ最近は疲労回復に作用している感覚が鈍り始めていて「長期的に摂取していることで慣れが生じてしまっているのではないか?」と感じ、「MAFの摂取を一旦止めて様子をみるかどうか?」を悩んでいたそうです。
確かに私もレスリング選手でしたので効果的なサプリメントを摂取すると最初の時期はすごく効果を感じることができるのですが、いつの間にか効果をあまり実感できなくなることがあり、阿武咲関の悩みは私にとってもとても参考になる意見でしたので、この内容を預かったうえでMAFタンパクの開発者で再生医療の専門医である乾先生に助言を頂くことにしました。因みに私と乾先生とは「MAFがスポーツメディシンの分野でどこまで有効か?」を共同で研究を行っている関係です。
トップアスリート・再生医療の専門医・私たちが一体となって課題に取り組む
乾先生と協議を行いながら、こちらの院と乾先生のクリニックのこれまでの効果を検証して、詳細は説明できないのですが阿武咲関のあらゆる力士としての特性を分析したうえで、阿武咲関などのように「長期間一線で活躍するアスリートのための摂取方法」を思案し、現在、阿武咲関が自分の身をもって体感して下さっています。
今回の様に当院には連戦必至のトップアスリートから貴重な意見を頂けることと、乾先生のように発生した課題・疑問・質問を一緒に検証して共同で検討できるという体制があるので、また新しい治療方法が生まれ、それによってまた患者様に活かせるというとてもありがたい環境にあります。
「マッスル&ジョイント・アンチエイジング」はこれからの新しい考え方になるのか?
また、今回の阿武咲関の試案はこれからの「筋肉や関節のアンチエイジング」という新しい考え方を確立するきっかけとなりました。
この考えを一緒に相撲観戦させていただいた新金岡駅近くの「ヒザのスポーツドクター」に話をしてみたところ「これまでの考えは“筋肉を刺激していかに筋肥大させるか?”であったが、長期的に競技を継続できるようにするための“筋肉と関節のアンチエイジング法”というのは非常に画期的であり、応援する!」とまでお墨付きを頂きました。
今は再生療法の乾先生と共に研究中ですが、皆様方のお役に立てる画期的な療法をこれからもたくさん発表できるように取り組んでまいります。
※当院では撮影を要する場合や週に2回の抗原・抗体検査またはPCR検査を必ず実施しております。